補聴器外来
補聴器とCPAP(BiPAP)
? 何のことかなと思われるでしょうね?
補聴器適合の患者様の難聴ではMCLとUCLのレンジが一般的に狭くなっております。
補聴器はこの狭い範囲に日常生活の音を大きくして、押し込まなくてはなりません。CPAPも様々な夜間の変動する咽頭圧レンジに拮抗する陽圧を加圧しなければなりません。
非常に高い拮抗圧を予想して圧を設定すると、不用意に過ぎた圧がかかって、心血管系にダメージを与える可能性があります。補聴器に最大出力音圧を設定するのも同様の考えで不用意な音圧が、かえって内耳を損傷させることがあるからです。
持続陽圧呼吸療法の機器にはBilevel CPAPという特殊な装置があります。呼気、吸気圧を別個に設定します。
呼気圧は無呼吸を消す圧です。これはささやき声が聞こえる補聴器の利得に相当します。
吸気圧は低呼吸、いびきを消す圧です。これは60,90dB入力時の利得に相当するでしょうか。
鼻が詰まって、気道が閉じている人にCPAPは出来ませんね。
同じように耳垢で外耳道が詰まっている人に補聴器をつけても効果は軽減です。
CPAPマスクのフィティングは耳栓の選択に似ています。
もれると過度に圧がかかってしまいます。最近のCPAP装置はこれを補正するように働いているようですが。余りにも漏れが大きいとベッドパートナーにもうるさいですし、圧が咽頭にかからずCPAPの役目をしません。
耳栓も音が漏れると、漏れた音が補聴器のマイクに入りさらに増幅されて耳に伝わりハウリングを起こします。
最近の補聴器ではこれをCPAP装置同様補正するように働いています。さらには漏れを利用して低音域があまり大きくならないようにする補聴器も出来ております。
補聴器で、まったく聞こえない周波数を増幅しても仕方がないですね。
高音域がほとんど聞こえないからといって高音域だけを増幅することは出来ません。
必ず隣のやや低い周波数の音もさらに大きく聞こえてしまいます。聞こえる部分に関しては非常に大きな音圧がかかる可能性があり、かえって補聴器で耳を悪くする可能性があります。
ではどうすればよいのかこのような場合聞こえない周波数領域の音の周波数を人工的に変えて聞こえる周波数の音にします。
CPAPも同様で中枢性の無呼吸があるのに陽圧をかけても仕方が無いですね。この場合バックアップ換気といって、自発呼吸に任せた陽圧付加ではなく人工呼吸にします