DISEASE
疾患から調べる
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外耳炎、突発性難聴、中耳炎ってどのような病気?
どのような治療をするの?治るの?お薬はあるの?
耳の病気(疾患)について、少しでも解りやすいよう解説いたしました。
耳の病気(疾患)を指摘されたけれど、どのような病気かよくわからない。不安。
などの際にお役立てください。
黄色ブドウ球菌や緑膿菌をはじめとする様々な細菌や真菌(カビ)が外耳炎を引き起こします。
痛みや耳だれを伴い、しばしば不快な匂いを放ちます。
ひどい場合は外耳道が腫れ、その程度によっては聴力の低下を来します。
治療は、外耳道を徹底的に清掃することから始まり、程度によっては抗菌薬を含有する点耳薬または抗菌薬の内服薬を行います。
綿棒などを用いた耳掃除は耳の正常な自浄作用を妨げるだけでなく、外耳道に傷をつくってしまい、細菌の繁殖場所になることがあります。
補聴器を使用している方は、特に外耳炎になりやすいため定期的な受診をおすすめしています。
内耳と脳をつなぐ前庭(ぜんてい)神経が急速に障害される疾患です。難聴や耳鳴りは伴いません。
前庭神経は体のバランスをとるのに重要な役割を果たしているので、この神経が障害されると日常生活もままならない程の激しい回転性めまいが数日間にわたって断続的に続きます。そのため入院を要することもあります。
ウイルス感染や内耳の血流障害で起こると考えられていますが原因はまだ明らかになっていません。
治療は、めまいが起こっている急性期とめまいが治まってからの回復期に分けられます。
急性期には、副腎皮質ステロイド薬・抗めまい薬・血管拡張薬・ビタミンB12製剤・ATP製剤を使用します。
回復期には、体のバランスを保てるようにする訓練や目の動きを安定させる訓練が重要となります。
突然、左右の耳の一方(ごくまれに両方)の聞こえが悪くなる疾患です。
起床時に自覚されることもあります。
難聴の発生とほぼ同時期に、耳の閉塞感や耳鳴り・めまい・吐き気を自覚することもあります。
ウイルス感染症(特に単純ヘルペスウイルスによる感染症)、自己免疫性疾患、内耳における毛細血管の閉塞などが原因として考えられていますが、未だその原因は明らかとはなっていません。
ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病との関連も指摘されています。
副腎皮質ステロイド薬・血管拡張薬・ビタミンB12製剤・ATP製剤による薬物療法が中心となります。ストレスによる影響を回避するため、安静にすることも重要です。
治療開始が遅れるほど治療効果が下がり完治が難しくなるため、突然の難聴を自覚した場合には早期の受診が重要です。
急性中耳炎はウイルスや細菌によって引き起こされます。
急性中耳炎は全ての年齢の方に生じますが多いのは生後3か月頃から3歳頃までです。これは、耳の構造が未熟のため適切に機能していないためです。
症状は耳が痛い、聞こえにくい、発熱といった症状が一般的です。
稀ではありますが炎症が内耳(耳の一番奥)に及ぶとめまいが生じたり、難聴がさらに悪化することがあります。後遺症として症状が残る場合もあります。
小さいお子さんの場合、上手く症状の説明が出来ないことが多く、ぐずっている、不機嫌になる他発熱や嘔吐、下痢も合併することがあります。
小児科でも鼓膜の観察は可能ですが、耳垢が詰まっていると観察が不十分だったり出来ない場合があります。お子様で耳を気にしているような仕草がある場合は一度耳鼻咽喉科での診察をお勧めします。
治療は解熱鎮痛薬に加えて中耳炎の程度によって抗生剤内服や鼓膜切開を追加で行います。
帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化によって生じます。
初感染の場合が水疱瘡(みずぼうそう)です。
水泡が生じる2~3日前から体の片側に痛みやチクチクする感じやかゆみが生じます。その後、赤い水泡が出現します。
患部は軽く触れる程度でも激しく痛むこともあり、痛みが後遺症として残る場合もあります。
耳周囲や外耳に帯状疱疹が生じると顔面神経・聴神経・内耳神経が障害されることがあり、耳性帯状疱疹と呼ばれます。
耳の痛み、顔が動かない、聞こえない、耳鳴りがする、めまいがする等症状は多彩です。
治療は抗ウイルス薬、鎮痛薬に加えて神経障害を来している場合はステロイドを使用する場合があります。神経障害や痛みは後遺症として残存する可能性があるため、早期に治療することが非常に大事です。帯状疱疹かもしれないと思ったらすぐに診察を受けられることをお勧めします。
中耳と鼻は耳管と呼ばれる管で繋がっています。耳管は普段は閉じていますが嚥下やあくびなどで一時的に開いて中耳の圧を大気と等しくします。この耳管の開きが悪い場合を耳管狭窄症、閉じにくい場合を耳管開放症といいます。
「耳管狭窄症」では耳の中の圧力が低下するため山登りしている時や、トンネルに入った時、エレベーターに乗った時に生じる耳が詰まった感覚が起こります。
原因は元々耳管の機能が弱い場合や、感冒・副鼻腔炎などの炎症が耳管周囲に及んだ場合が考えられます。
咽喉頭酸逆流症でも耳管狭窄症を来すことが知られています。
また耳管の出口付近(鼻側)に腫瘍がある場合でも同様の症状を来すことがあります。そのため、耳が詰まったような感覚が長く続くような方はカメラで鼻の奥に腫瘍が無いか確認する必要があります。
治療は感冒や副鼻腔炎があればまずその治療を行います。
自宅でできる耳管通気(鼻の奥から中耳に空気を送る)治療をしていただき、いずれも効果が無く症状がつらい場合は鼓膜に小さい穴をあけチューブを入れることもあります。
耳管狭窄症、耳管開放症はいずれも耳が詰まったような感覚が生じますが対応が異なるため医師の診察を受けられることをお勧めします。
耳管の機能不全や副鼻腔炎(蓄膿症)、アデノイド増殖症といった病気が原因で、中耳(鼓膜の奥の空間)に滲出液が持続的にたまる病気です。
急性中耳炎と異なり痛みや発熱がないため、小児の場合は受診が遅れるケースが目立ちます。
滲出性中耳炎を放置しておくと鼓膜が薄くなり、癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎になる危険があるため、テレビの音を大きくする、後ろから呼んでも返事をしないなどの様子に気付いたらお早目にご相談ください。
一方、ご高齢の方の場合には耳管の機能が低下して滲出性中耳炎を起こしやすいといわれています。聞こえにくいと思ったら、まずは専門医の診察が重要です。
治療は内服から開始することが一般的ですが、なかなか治らない場合には鼓膜を切開し貯留液を吸引・除去します。切開しても貯留液がたまる場合には、鼓膜に換気用のチューブを留置します。
また副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、アデノイド増殖症が原因と考えられる場合には、それらの治療も並行して行います。
真珠腫性中耳炎は慢性中耳炎の一つです。症状は難聴やみみだれ、耳鳴りなどが一般的です。
放置しておくと、顔面神経麻痺やめまいが生じる可能性があります。さらに稀ではありますが髄膜炎や血栓症など生命に危険な状態を引き起こす事があります。
鼓膜は3層からなっていて、一番外側の層はいわゆる耳垢を産生します。
正常な耳では耳垢はベルトコンベアーのように自然に外側に排出される自浄作用を持っています。 しかし真珠腫性中耳炎では鼓膜の一部が凹み自浄作用が失われ、凹んだ部位に汚れが溜まってしまいます。凹んだ場所は炎症を繰り返し、周囲の構造を破壊しながら少しずつ大きくなります。
耳小骨(音を聞こえの神経に伝える)が破壊されると難聴を生じ、感染が加わるとみみだれが生じます。聞こえの神経も障害されることも少なくありません。また三半規管(バランスを司る臓器)が破壊されるとめまいの症状が生じるなど、症状は多彩です。
原因は耳と鼻を繋ぐ耳管と呼ばれる管の機能が悪いことや、小児期に中耳炎を繰り返した結果、耳の中でのガス交換が上手く行われない事が関係していると言われています。
鼻すすり癖も原因の一つとされています。
真珠腫性中耳炎の根本的な治療は手術となりますが、早期に発見する事がとても大事です。
当院では耳鼻咽喉科専用コーンビームCTを用いて受診された当日に詳しく調べることが可能です。